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志望理由の答え方:面接官に伝わる準備の仕方

公開日 2026年8月18日

「なぜ本校を志望されたのですか」

保護者への質問で、ほぼ必ず聞かれるのがこの一問です。そして最も差がつくのも、この一問です

多くのご家庭が「教育熱心な校風に惹かれました」「伝統ある学校だと伺っています」といった答えを用意します。間違ってはいませんが、どの学校にも当てはまる内容は、実質的に何も答えていないのと同じです

志望理由の前に、家庭の教育方針を決める

志望理由を考え始める前に、必ず先に決めておくべきことがあります。それがご家庭の教育方針です。

順序が逆になっているご家庭は少なくありません。学校の特色を調べ、それに合わせて志望理由を組み立てる——この作り方では、追加の質問で必ず行き詰まります。

まず、ご夫婦で次の2点を言語化してください。

  1. お子さんと関わるうえで、何を大切にしているか
  2. どんな人に育ってほしいか

抽象的な理想ではなく、実際に続けていることから逆算するのがコツです。毎晩絵本を読んでいるなら、それは「言葉と想像力を大切にしている」ということです。休日に必ず外遊びに連れ出しているなら、「体を動かす経験を重視している」ということです。

教育方針とは、これから掲げる目標ではなく、すでに家庭で行っていることの説明です

今日からできること:ご夫婦で、この1か月間に「続けていること」を3つ書き出してください。それがそのまま教育方針になります。

志望理由は「家庭の方針」と「学校の理念」をつなぐもの

志望理由を聞かれたときは、ご家庭の教育方針と、志望校の教育理念・指導方針の両方に触れたうえで、理解し共感していることを伝える——これが基本の形です。

つまり構造としては、次の3つの要素になります。

  1. わが家が大切にしていること(家庭の教育方針)
  2. 貴校のこういう点(具体的な理念・取り組み)
  3. だから、ここで学ばせたい(両者のつながり)

例を挙げます。

「わが家では、子どもが自分で考えて答えを出すまで待つことを大切にしてきました。貴校の説明会で、低学年から子どもたち自身に話し合わせる時間を大切にされていると伺い、家庭で心がけてきたことと重なると感じました。息子は考えるのに時間がかかる子ですが、そうした環境でこそ伸びると考えております。」

この形の強みは、「うちの子」と「この学校」の両方が具体的に登場する点です。他校に流用できない志望理由は、それだけで説得力を持ちます。

今日からできること:志望校の説明会資料やウェブサイトから、心から共感できる具体的な取り組みを2つ選んでください。

よくある3つのNG例

1. どの学校にも当てはまる内容

「校風がすばらしい」「歴史と伝統がある」「教育熱心で安心できる」——これらは学校名を入れ替えても成立してしまいます。学校側が知りたいのは、数ある学校の中でなぜここなのか、という点です

2. 学校の宣伝文句をなぞるだけ

パンフレットの言葉をそのまま繰り返すのも避けたいところです。調べたことは伝わりますが、ご家庭の姿は見えません。学校の理念に触れたら、必ずご家庭の話につなげてください

3. 進学実績や環境面だけを挙げる

「中学受験に有利だと伺いました」「自宅から通いやすい距離です」——本音として理解できますが、これだけでは教育観の共有が伝わりません。現実的な条件は志望理由の一部であっても、中心には置かないほうが自然です

今日からできること:用意した志望理由から学校名を消してみてください。それでも意味が通じてしまうなら、書き直しが必要です。

願書と面接の内容は必ず揃える

多くの学校では、願書に志望理由を記入します。そして面接官は、その願書を読んだうえで質問しています

願書に書いた内容と面接での説明が食い違うと、不自然な印象を与えます。逆に、願書に書いたことを面接で自分の言葉で膨らませられれば、一貫性のある家庭という印象につながります。

実務的には、次の2点を守れば十分です。

  • 願書は必ずコピーを取っておく
  • 面接の数日前に読み返し、書いた内容を確認する

願書を書いた時点から面接まで数週間空くことも多く、細部を忘れてしまうのはよくあることです

今日からできること:提出済みの願書のコピーを、面接資料と一緒に保管しておきましょう。

「完璧な回答」を用意しないほうがよい理由

志望理由は準備すべき項目ですが、一字一句を暗記して臨むことは勧められません

準備された完璧な回答は、かえってよくない印象につながることがあります。面接官は毎年多くのご家庭に接しており、練習された答えと自分の言葉の違いを聞き分けます。淀みなく流れる回答よりも、少し考えながらでも具体的に語られる話のほうが、信頼を得やすいものです。

現実的な準備の仕方は次のとおりです。

  • 伝えたい要素を3つの箇条書きにする(家庭の方針/学校の特色/つながり)
  • 実際に声に出して2〜3回話してみる
  • 毎回言い回しが変わっても直さない
  • 長さは1分程度を目安にする

また、教育方針を答えるときは1〜3つ程度に絞り、端的でわかりやすい言葉で伝えることが大切です。要素を詰め込みすぎると、かえって何も残りません。

今日からできること:志望理由を3つの箇条書きにまとめ、原稿ではなくメモの形で持っておきましょう。

想定される追加の質問

志望理由を述べたあと、次のような質問が続くことがあります。

  • 説明会にはお越しになりましたか。印象に残ったことは何ですか
  • 本校の教育方針のどの点に共感されましたか
  • お子さまのどのようなところが本校に合うとお考えですか
  • 他にどのような学校を検討されましたか

いずれも、志望理由が本物かどうかを確かめる質問です。実際に説明会に足を運び、ご家庭の言葉で理由を組み立てていれば、自然に答えられます。逆に借り物の志望理由では、この段階で止まってしまいます。

保護者への質問全体の傾向は子ども・保護者別の質問例にまとめています。

今日からできること:説明会で印象に残った場面を1つ、具体的に思い出せるようにしておきましょう。

お受験面接らくらくには志望動機と保護者面接のカテゴリーがあり、それぞれの質問に「面接官が見ているポイント」と答えの組み立て方が添えられています。模範解答ではなく構成の型を示す形なので、ご家庭の言葉で準備を進められます。

よくある質問

志望理由はどのくらいの長さで話せばよいですか

1分程度が目安です。要素としては、家庭の教育方針・学校の具体的な特色・両者のつながりの3点が入っていれば十分です。長く話すほどよいわけではなく、要点が絞られているほうが伝わります。

説明会に参加できなかった場合はどうすればよいですか

正直に伝えたうえで、学校の資料やウェブサイトから理解した内容を語れば問題ありません。参加したふりをすると、具体的な質問で困ることになります。ただし可能な限り、公開行事には足を運んでおくことをお勧めします。

併願校のことを聞かれたら、正直に答えるべきですか

基本的には正直にお答えするのが無難です。多くのご家庭が複数校を受験することを、学校側も理解しています。ただし志望順位を必要以上に詳しく語る必要はなく、「ご縁があればぜひ通わせたい」という姿勢を丁寧に伝えれば十分です。

父親と母親、どちらが志望理由を答えるべきですか

学校からの指定に従います。指定がない場合はどちらでも構いませんが、答える内容の方向性は必ず事前に揃えておいてください。片方が「自主性を重視」、もう片方が「規律を重視」と述べると、一貫性を欠く印象になります。

教育方針が特にない場合はどうすればよいですか

「方針がない」というご家庭は、実際にはほとんどありません。日々の生活の中で自然に選択していることが、そのまま方針です。食事の時間を決めている、テレビの時間を制限している、必ず挨拶をさせている——こうした具体的な習慣を挙げれば十分です。

志望理由は子どもにも聞かれますか

学校によっては、お子さんに「どうしてこの学校に来たいの」と尋ねることがあります。その場合、保護者と同じ内容を言わせる必要はまったくありません。「学校を見に来たとき、広い運動場が楽しそうだったから」といった、5〜6歳らしい素直な答えで十分です。

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